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2008年12月5日、老舗ロックバンドTHE MODS撮影中!くも膜下出血を発症、一緒に仕事をしていた最愛の女性の迅速な対応が功を奏し、重症ながら危篤から生還。身体の後遺症、心の後遺症の中、自分探ししています。


by mugnum-yoda
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待つ美しさ。

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2007年5月3日の記憶。本日はこどもの日、今日で病院の連休も最終日、朝から看護師さんに、「連休最後だから、きっとSちゃん、お迎えに来てくれるわよ、」「何時来ても待たせないように準備を整えて待ってなさい。」「デートでちくちく嫌だから、髭もちゃんと奇麗に剃り直しなさい。」僕は毎日、髭を剃るのだけど、左半側空間無視の男子の共通症状で、何度確かめて剃っても、左の頬の髭が残っているんだ。自分でも嫌で、まず電気剃刀で、次にT字カミソリの二枚刃で、最後には、もう刃を換えなきゃ鳴らないんだけど四枚刃で、泡立てて、もともと髭が濃いから大変なんだ。蒸しタオルで髭を柔らかくしたいけど、左手の握力が無いからタオルを絞れないんだ。いつも洗面器に押し付けるだけ。更に体感異常で、熱さを正しく認識出来ないから、僕はお湯の使用は禁止なんだ。お風呂もそんな訳だから頭洗うにも、身体洗うにも、キチンと出来ないんだ。障害者用品の専門店に行けば、届かない場所を洗ったりする道具とか握力が無くても、視力が無くても日常生活が送れるユニバーサル道具が沢山有るんだって。憧れちゃうけど、何処に行ってみるのにも、パートナーSちゃんを煩わせなきゃならなくてさ、申し訳なくて。連休に入る前、病棟全員に、「家族パートナーに連絡を取りGW中の外出、外泊の予定を早めに詰所に届けてください。最低でも小さな外出は盛り込んでください。どうしても無理な方は面会にきていただいてください。」と申し送りがあったのだけど、Sちゃんは僕が口を開く前に「外泊出来るのかな?」「写真写しに行こうね!」「外出許可出るの?」と先に積極的に僕を案じてくれたので、彼女には彼女なりのスタイルが有るんだな。と悟り細かいスケジュール等は言及せずにいた。それだけでも充分、僕は幸せだったもん。と同時にSちゃんは、日々の自由外出も症状の複雑さで許可にならない。音楽を楽しむ手段も無い。絵本や写真集以外の本は失読症状で楽しめない。そんな僕の手持ち無沙汰を案じてくれて作業療法でもやっている塗絵の一歩進んだ「大人の塗り絵)を探してくれて病床に置いて行ってくれたんだ。直接そのに塗るのは、もったいなくて、病院の事務で要所要所をコピーしてもらった。それをGW二楽しもうとすると、以前の脳外科に入院中に彼女がプレゼントしてくれたスケッチブックにクーピーペンシル、パステルは、画用紙のようなざらついたスケッチブックには発色も良く馴染み安かったけど、円滑なコピー用紙とは相性がきわめて悪く、強く描いても、軽く触れても弾くだけ、それを横から見ていた隣人から100円ショップで販売されている12色の色鉛筆の内の古くなって短くなった7本だけを買ったら返す約束で分けてもらった。以前年間の作業療法での作品発表会に僕の塗り絵が選ばれた時の作品をSちゃんに、真っ先にプレゼントしたのを彼女は記憶していて「又、良く出来たら頂戴ね。」と言葉を添えてくれたんだ。作業療法の手工芸での色鉛筆は、たいして、それまでに商売で使用して来た輸入ものとかじゃない普通の色鉛筆だったけど、コピー用紙とは重ね塗りも出来る程に相性が良かった。工房筆を選ばずなんだけど、過度の潔癖性、脅迫障害が自閉症のコダワリ脳に相乗してさあ、解っちゃ居るけど、同省も無く病気だから、たまのSちゃんへのささやかなプレゼントくらいは、きちんと発症前のデザイン仕事してた頃のように仕上げて渡したくてさあ。それを苦に鬱状態の僕を士長さんが心配してくれて、買い物に行けない人や僕のように近くにSちゃんが住んでいて生活用品を揃えられない人の物品を代理購入してくれる業者さんに電話してくれたけど、早くても二週間後との事で、連休中Sちゃんと最低でも一度くらいは病院の近所への買い物が出来ると思いキャンセル。本日、僕は昨年の5月14日にSちゃんと外出出来た貴重な一日に、大好きなSちゃんが用意してくれた大好きな迷彩色のズボンと大好きなターコイズ色の長袖Tシャツを着て、何時迎えに来ても、直ぐに車に乗り込めるように待ってます。靴下も、下着も、あの素敵な日のままで、病室の仲間も、「GW最後だから面会時間ぎりぎりにくるよ。」と案じてくれる。夕食を終えてから、「依田くん、GW終わるまで、未だ5時間もあるんだよ。面会時間だって、1時間近く残ってるよ。」「最後まで『きっと来てくれる。』『絶対、来てくれる。』って楽しみなさい。」だって。今、言われた通りに待ってます。カーテンを細く開けて、今日は黄昏の色も無い無機質な霞んだ空。ふと相棒Sちゃんが写した夕景が再び毎日見たくなりました。時間があったらで良いから、守衛さんに、前のようにメディアを渡して僕に貴女が見た景色を僕にも共有させてください。交換日記みたいで愉しかったんだよ。お願い。今日は法要で本家だから稼業の切り盛りに加えて忙しかったんだろ。お疲れさま。僕以上に君の方が僕に逢いたいのに決まってる。って頻繁に通ってくれた時を知る看護師さんが教えてくれた。ありがとう。ずっと待ってるからね。待つ時間は君を沢山思ってる時間だから僕は嫌じゃないよ。愛してるもん。写真の素敵な男達のように、僕は待ってます。こちらの待つ犬に自分を投影して泣いてしまいました。ウエ〜ン。
by mugnum-yoda | 2010-05-05 16:13