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2008年12月5日、老舗ロックバンドTHE MODS撮影中!くも膜下出血を発症、一緒に仕事をしていた最愛の女性の迅速な対応が功を奏し、重症ながら危篤から生還。身体の後遺症、心の後遺症の中、自分探ししています。


by mugnum-yoda
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届かぬままのプレゼント。

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2007年5月10日の記憶。二つの大きな葬儀を、裏から支え、親類からは、Sちゃんは裏喪主だよね。と言われる程に、段取りから、お金の出納に至る迄をこなし、心身ともに疲れ果て、脱力状態になった。僕の最愛のSちゃん、可能な限り力になりたかったけど、親類から働きを認められ、仲の良さを冷やかされたりもしたが、出しゃばって前に出て、お手伝いさせて頂けるまでは、信用を得ては居ないので、性格上、良い所を見せたい一心だったけど、きっぱり、目に留まらない所で、支える事に、疲れ果てた彼女を、そのままに、ニセコへは帰れず、インターネット・カフェ、長距離ドライバー達が仮眠するフェリー・ターミナル、等で、夜を明かし小樽に留まった。まだまだ、二日三日経っても、Sちゃんは、父、母と共に、市内はもとよりニセコ、親族の居る名寄と眠い目を堪えながら、葬儀の挨拶回り、返礼へと息をつく暇もない。更に、相続やら、お墓の件と、旧家の本家ならではの忙しさも加え、さらに、その長距離移動が何往復にも、名寄からの帰路らしい、SちゃんからSOSが鳴った。内容は、眠くてどうしようもなくて、また寝ちゃったら大変だから。眠らないように僕に電話を鳴らして欲しいと言う切ないものだった。実は、その昔、Sちゃん、居眠り運転で大事故を引き起こし、死に至らなかったのが不思議と言われる程、小さな身体がバラバラになった事があると、本人の口から聞いた事がある。頑張り過ぎちゃうDNAで、一家全員、好い眠り運転の癖があるんだ。と、その事を聞き、寿都の神社で交通安全、航行安全の祈祷とお札を手に入れプレゼントに伺った僕に、お母さんが、笑いながら、教えてくれた。その行為に、お母さんも喜んでくれた。僕は信心深い家に育って良かったと心底,嬉しかった。そう思わせてくれたお母さんの笑顔は素敵だった。先の事、考えると鬼が笑うと言うが、このときばかりは、Sちゃんも、将来、きっと目の前のお母さんのように、笑顔の似合う。素敵な女性になるんだろうな。と思った。喪中なので、彼女のストレス解消法のひとつである波乗りが出来ないんだ。と聞いた。僕は「平気だよ、そんなの迷信だよ、海に行こうよ!」とは言わず。「僕も喪に服すの付き合うよ、水回りには、仕事でも遊びでも行かない。」「もし、その期間に何か、あったら、バチ当たりだ。と言われるから、今日までSちゃん頑張った事が、その事で、ゼロに鳴るなんて嫌だろ。僕だって君がそう思われるのは絶対に嫌だよ。喪が明けたらパーティーしようよ。バンバン生みに行こうね。」彼女は僕の肩を押さえながら「ありがとう。」と目からは大粒の涙が、頰を伝おうとしていた。そんなSちゃんをニコッと、させたくて、色々考えた。何が良いかな。その当時、僕も車が無かったから、大きな事は出来なかった。宿泊所を出て、毎日、小樽の街を、ひたすら歩いた。それまでは、いつも見える距離にSちゃんが居ての小樽だったから、少し、心もと無かった。独り言癖の僕は、何を見ても、何を写しても。「ね、Sちゃん。」と、さも、隣に彼女がいるかのように、歩き続けた。お金も無いし、何をすれば、喜んで貰えるだろうか?そう、自問しながら、小樽の街は、ひとりぼっちでも悪く無い街だと感じた。こんな素敵な故郷を持つSちゃんに、ジェラシーすら覚えた。そんな矢先、目の前の大観覧車が西日を受け、少し鈍色がかった灰青の春独特の空に虹色の観覧車が浮き出た。その昔、いつか一緒に乗ろうね。と話しあった、その、今や小樽のランドマークと言っても過言ではない。小樽築港の観覧車を、珍しく何十枚も写した。そう、この瞬間の写真をプレゼントしようと決めて。しかし、慌てたせいか?早合点であった。実は、携帯電話の待ち受けとしてメールに添付しようとして構図を決めて写したけど。僕の携帯電話はメール機能がOFFの設定だった。その携帯電話は、葬儀の写真を手伝う僕と葬儀の期間、連絡が取れるようにとSちゃんが、用意してくれたもの。その時、見せれなくて悲しかったんだよ。その日から、かれこれ3年、渡し損なったまま。Sちゃん、お誕生日おめでとう。受けとって携帯の画面に、してくれたら嬉しいなあ。君の携帯電話の色を考えて構図決めたんだ。君への愛は、これを写した日の何十倍に膨らんだよ。お疲れさま。ありがとう。去年の誕生日のプレゼントは、ご免ね。エステにお金払ったから、エステに行ってなんて失礼だったよね。実はね子の病院の並びのエステだから、ついでに逢えるなって、ずるい考えも、あったんだ。ごめんね。男だって、無料は嬉しくても、はじめての床屋は、有名でも不安だもね。疲れて顔がやつれた。と聞いたから、病院の中に居て出来る最善策だと思っちゃったんだ。ごめんね。今日は、病院のお花見バス遠足で、病院野中は休日のようでした。僕は、全然関係ないけど、昨年5月14日に、外出した時の服装で、君との時間を思い出していました。愛しているよ。

観 覧 車 黒 南 風 の 中 よ く 回る/ 依 田 昌 也
by mugnum-yoda | 2010-05-18 16:09