2008年12月5日、老舗ロックバンドTHE MODS撮影中!くも膜下出血を発症、一緒に仕事をしていた最愛の女性の迅速な対応が功を奏し、重症ながら危篤から生還。身体の後遺症、心の後遺症の中、自分探ししています。


by mugnum-yoda
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長距離ドライバーの孤独

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2007年6月21日の記憶。アラン・シリトーのあまりにもパンクでアナーキーな有名な小説に『長距離ランナーの孤独』と言うのがあった。PUNKROCKの生まれ故郷、イギリスは労働者階級層の、お話。かのROLLING STONESもSEX PISTOLESも背景を同じとする。「理由なき反抗」「エデンの東」と並び不良少年文学の古典であろう。
まず、本日のエントリーは親友タカシF君に捧げる。格好付けてる訳じゃなくて、愚痴聞いて欲しくてさ。もう、何だか何だか解らんくなっちゃうくらい、寂しくて悲しくて、誰かと話したいけど、彼女と繋がる電話機は無し、テレフォンカードは無し、ピンク電話用の10円すら無いんだ。ふと、この、もう一年も大地を踏みしめていない現実に、鳥籠暮らしに悲しくて、空しくて、切なくて、黙っていても孤独感に涙があふれちまうんだ。何故か怒りすら覚える。まして月の威力が一番強い夏至の今日、病棟では、この見えない圧力に体調を心を見出す人が、更に夕刻の夕暮れ症候群と雨模様の不快指数も相乗して賑やかな夏至の果てとなっている。明日は病院の大きな作業療法イベントの動物園見学。様々な事情で参加出来ない人が吠えている。僕は、お金が足り無くて、この時期、外出するに必要な衣類も靴も準備不足。ファッションの街、原宿でもお洒落で有名だった僕には悲しすぎる仕打ち。今日は、明日の振り替えでリネン交換だった。前後左右裏表の間違い減ったが、担当看護助手さんに、「もうマイヤー毛布をタオルケットに換えなきゃ駄目だよ!」「夜30℃もあるでしょ?彼女さんに御願いしなさい。」去年、お古で良いから頂戴と御願いしたのだが…、と僕は口を尖らす。「誰だって、忘れる事あるから電話しなさい。」多忙なの解っていても大声出したくなる。自分が小さくて格好悪いしさあ。悲しい事だらけ。孤独と言えば運送屋の頃も、目まぐるしい程に忙しかったが、その忙しさに酔う自分も居たけど寂しかった。一本、長距離得れば、机に座って頑張ってる連中が驚く程に金になって、当時、古着のビンテージのコレクション、中古レコードのコレクションしていた僕は、そのプライスの高さに、一切躊躇する事無くコレクションを重ねられたけど寂しかった。何故か、そんな寂しさすら格好良いと自らが置かれた現実を美化していた。そんな時のささやかな愉しみであった車載の違法無線機。覚えているだろ?今夜はまさに、病棟に無線機を持ち込みたい気分だ。愛車は相棒だったね。愛車と言っても自分で選んで買い揃えた車じゃない。会社から、それぞれの経験,運転スキル、作業量に併せて支給された言うならばパートタイムラバー。TVドラマシリーズの「ナイト・ライダー」のナイト2,000号のように僕も、それを愛し、孤独な時を、重たい荷物に汗した日も一緒に過ごし、愚痴も聞いて貰った。運送業を齧った事がある人なら誰でもやるように支給された車にパーソナルなステレオを組み込み、内装をベルベットに豹柄に、メッキバンパー、メッキミラー。エアスポイラー、アルミホイル。グリル変更、イルミネーションランプ。と僕も普通乗用車の一台くらい買える金額を投入し、相棒を美しく飾った。その後、僕は雑誌VANNING& TRUCKI'Nの仕事をするようになったのだが、この世界の入り口を教えてくれたのが、タカシが教えてくれたリアル運送業世界で學んだ長距離ドライバーの孤独が生み出す。美の追求だ。誰だって自分のパートナーを一番美しくなるように努力しない奴は居ない筈。そんな僕のわがままに答えてくれた最愛のSちゃんの実物をタカシ君に見て欲しいよ。雨の東名高速、午後二時、早朝必着の沢山の長距離ドライバーに混じり僕も孤独を愉しむふりをしてアクセルを踏んだ。子供からの癖で孤独が極まれば極まる程に脳が冴えて冴えて、眠気覚ましのモカ剤が、興奮させるのか、僕はいつも考え事をしていた。冒頭に紹介した小説をランナーからドライバーに変えて映画を作りたい。と、何度も脚本を直した。この部分はクレーンで俯瞰撮影だとか、同スピードで並走して追い越しクロスで撮影とか、気分はもう映画監督で東へ西へと繰り返した日々。2007年の夏至を挟んで、北海道の湾岸線を北海道が生んだアナーキーでパンクなベストセラー作家、馳星周氏と、彼が描いた「Amazon.co.jp: 約束の地で」と言うロードストーリーをトレースした。ドライバーは僕、積み荷事故は起こした事が無い僕も、この時ばかりは緊張の連続だった。相変わらず綿密なリハーサル好きな僕は、同じ道順を本番まで二度,往復していたが、それでも緊張した。ひょっとしたら緊張のあまり吃りが出ていたかも?と推測する。道中、彼との会話からか、見る景色、全てが映画の場面場面のようだった。まして僕は大のロードストーリーフリークだからね。映画「イージーライダー」「カルフォルニア」「スターウオーズ」「エンドレスサマー」「ストレイト・ストーリー」「トウルーロマンス」それぞれ話し始めれば、ひとつひとつに文庫本一冊くらい書ける程、話したい事だらけだ。本日エントリーの写真、彼とスタッフを函館飛行場まで送り届けた帰り道、単行本の捨てカットに使えないだろうか?と考えながら、年間で最も太陽の出ている時間の長い夏至の一日を、恐らく早朝から走り込んでいるであろう長距離トラックに、自分自身の青春時代、親友タカシ君の姿を投影して写した。勿論、限られた条件の中、徹底的に美化してね。まだまだ、僕は長距離ドライブの最中。積み荷は、大切な命の恩人で最愛のSちゃんだ。タカシは、僕をびびりだ、チキンだと言うかも知れないけど、亀のように遅くても僕は安全運転しかしないよ。積み荷事故ゼロは僕のプライドなんだ。本体が大破しようと僕は死んでもSちゃんを守り通すって決めたんだ。タカシありがとう。星周君ありがとう。Sちゃんありがとう。この写真を写しながら僕はDeep Purple -のSpace Truckingをシャウトしていた。中学生時代、DEEP PURPLEのコピーバンドのリズムギター兼ボーカルだった。誰かの曲にこうあっただろ?「シャウトするのがエクスタシー!」って。COME ON SPACE TRUCKIN'!いつものように独リ大騒ぎしながらシャッターを重ねた。原宿時代COOLSのリードボーカルさんが始めた"SHOT!"と言う新しいブランドのデザイナーとして僕も仲間に加えて頂いた。
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by mugnum-yoda | 2010-06-21 16:41