肖像写真に思いを寄せる
2007年 01月 08日
日本の慣習の中でも昔から肖像写真に細工されていたことを皆さんはご存知かな?
まずは古い慣習だが見合い用の写真、まあアバタもエクボに変える手口のあれだね
昔は画像処理ソフトなんて無かったから、変形は印画紙を丸めたり、レタッチは
面相筆でスポットカラーやポスターカラーでおこなっていたんだ。
もうひとつは今でも必ず必要となる遺影と言う奴だ。写真の世界ではどんなジャンルのプロであろうと
一度や三度は、それが為にシャッターを切っているのでは無いだろうかなあ?
この正月、伏見先生がヨドバシカメラの店頭で新年のイベント」として、お買い上げのお客様全員の肖像を写したそうだ。
一日200人以上、ひとりにつき10分にも満たない速度での仕事だと言う。
プロは巧いのは当たり前だ、良い悪いは個人の趣味だろうけど、レベルは誰であろうと達している。
しかし、速さと言う武器は最後の砦のようにも思える。ディレクタ−時代
イラストレーターのオーディションを表紙用に良くやっていた。凄い若者にも
有名な大家にも仕事を依頼したが、まあ表紙は相場があるから依頼しやすかった。
良く売り込みにくるイラストレーターの作品を見ながら製作にかかる時間を聞いた
何かには気にした事がないなんて人も、まあ僕らが仕事をする上で必要な作者は
殆ど3日で直しも含めて出来る人ばかりになる。昔有名だったせセクシーロボットの先生は
リアルイラストにも関わらず一日で仕上げる速さで驚いたものだ。
写真の場合も速ければ速い程、僕は有り難い。デザイナー時代大先生を捉まえて
「僕に一時間だけ時間を下さい!」製作経費をアカウントする立場だが大先生を起用したいと言う
苦し紛れで編み出したオーダー方法がこれであった。まあ具体イメージを提案してあれば、そして
そしてクライアントに有無を言わせない論理正しい説得力がオーダー側に必要だけどね。
たぶん、今の時代は俺を含め誰でもプロカメラマンな感じだから、本物に出会う必要性が無くなったのかもしれないがね!
そうそう写真を発注している側の皆さん、お宅で使っているカメラマンに満足してますか?
なんだか伏見先生の早業を見ていて、僕もその流れの中で10分以内のフォトレタッチで
正月のヨドバシカメラの賑わいの中に身を委ねてみたい気持ちになりました。
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そうそう加工で遊びながら伏見先生の写真を解体していると小さな面積の中の情報量が多いのが嬉しくなる。
次の段階の作業を担う人が扱いやすい配慮が、グラデスケールやアンダーの中にビッチリと詰まっていた。
こういう写真だとどんなにいじくりまわしても骨がしゃきっとしているんだ。
by mugnum-yoda
| 2007-01-08 15:58