とかく、意味を求め過ぎる現代、僕自身も、意味付けしてクリエイトする職人世界が長かったため、恥ずかしいが例外では無い。映画に「理由なき反抗」ってあったよね。映画の内容は覚えていない。深い赤の光沢を帯びたドリズラージャケット、ロールアップジーンズ。白いクルーネックのTシャツ。勿論、僕もこれらのアイテムを揃えて真似た事がある。そう、恰好良いな、新しいな、と感じたら意味問う事無く真似ればよいのだ。このジェームスディーンの着こなし、映画公開直後、日本の湘南の太陽族、銀座のみゆき蔟らが真似て、其の年の流行に、ジーンズ元年だそうだ。このようにして世界中の年で、やんちゃな年頃の若者がジーンズに感染して行ったのだ、かのエリツイン大統領もロックとジーンズに呼び寄せられて国境を越えハンブルグ入りした事があると、ポール・マッカートニーがモスクワは赤の広場で”BACK IN THE U S S R"をシャウトしたロックの歴史に残る偉業を遂げた時のインタビューで、少年の日のめのままで語っていた。海を見たら、美しい船が迫って来た。軍艦だ。日米安保、憲法6条?一応ジャーナル写真も齧ってるし、子供にだって説明出来るくらいは知識はある。中には「アメリカへ帰れ!」の団体もいるけどさあ。どうだろ、この年は小樽ローカルとしての目で写している。大きな街ひとつ以上の兵士が、冬の小樽、札幌で骨休めだ。経済効果は莫大だ。まあ。こんな内情を知らなくても目の前の船は美の極致だった。其の昔、機能美を習った。水兵のセーラー服、右前にも左前にも着れるP-CORT。これらは、不思議と誰にでも似合う。しかも、美しい。服飾業界にユニ・セックスを打ち出した時代の中心デザイナー、DCブランドの「ブルー・ボーイ」のO氏から聞いた。彼は僕の裏原宿デザイナー時代の社長でも、あった。軍需が生んだデザインには、コロンブスの卵的な物が多い。野戦の中でのニーズに従って構築されたものは、写真家がフイールドで用いても便利な物も多い。貴方のクローゼットには?それらが、ありますか?美しさは、直感だ。意味の前にね。実は、子供なら誰でも知ってる事だけど、長く生きてると、ワンクッション置いて考えてしまう。とある夜、ニセコの山奥で、僕の頭の中で、「NHKのど自慢」のお馴染みの合格の鐘が、鳴り響いた。そう忘れもしない、絶世の美女が僕に話しかけて来た。奇麗!可愛い!格好良い!スタイル抜群!良い匂い!僕は意味問う事無く、生涯解ける事の無い魔法にかけられた。その麗しき女性が、その後、僕の敬愛するパートナーSちゃんになった。今思えば、それは、とてつもなく甘美な風だった。僕は、それまでも風に逆らッたことは無い。其の風に身を任せると、この世の物とは思えない程に心地が良かった。その女性は、その日の感動を裏切る事無く、今も尚、何倍も美しくなって、僕の病院からほど近い彼女に似合いの世界にも認められる美しい街の片隅で暮らしている。