牧歌は8ビート
2007年 06月 22日
突然、緑の草原がパッチワークをなしている景色が広がる。
この季節、酪農家のどの家庭でも一番草の刈り取りが行われており
作業の時間差により緑がグラーデーションをなし化粧パレットのようだ。
低気圧が張り出しているせいだろうか?作業の速度が速い。
おそらく小走りでトラクターに追従出来ないから時速三十キロは出てるであろう。
牧草が雨で濡れ水分を含んでしまうと効率が半減してしまう。
刈り刃にもヤニが付着し切ると言うより千切る形の切断面になってしまうので。
ナマ魚の切り口が触感に影響すると同じく牛達も敏感にセレクトしてしまうのだ。
濡れた土壌や濡れた牧草では巨大な輸入トラクターであろうと
エンジンにギアにとトルクがかかり倍以上の燃料を消費することとなる。
夏至の日と言うこともあり朝の四時から休憩も食事もトラクターを
操縦しながら、ブッ続け刈り取り作業をしているそうだ。
撮影時刻は7時30分、このまま夜間照明で徹夜の作業になることであろう。
「牧歌風景」がのんびりだったのは昭和の初期までだ
世界中の酪農経営は集約型となり「牧歌」が歌ならばロックンロールだ!
トラクターのV8エンジンが巧い具合にビートを刻む。
日本の写真世界での「牧歌」は懐古主義でエセな感じがする。
近代農業の全てが正しいとは言えないが2007年の現実を俺は切り取りたい。
by mugnum-yoda
| 2007-06-22 14:17